感覚を、数値へ データが導くLa Papayaの品質
Ecuador La Papaya
Philocoffeaにご来店いただき、ありがとうございます。
エクアドルのコーヒーのご紹介です。
Philocoffeaでは毎年お馴染みのHacienda La Papaya。毎年La Papayaのコーヒーを扱えることを、自然と楽しみにしている自分たちがいます。エクアドル・ロハ県サラグロ地域、標高1,900から2,100mに位置する農園。この地域で2010年にコーヒー栽培を始めた、パイオニア的存在として知られています。
農園主のフアン・ペニャさんは、もともと花卉栽培を行う農家でした。しかし、農園が火事で焼失してしまい、事業の継続が困難に。次に何をするべきか考えた末、「コーヒーを育てる」という選択にたどり着きます。プロジェクト自体は2009年にスタートし、植栽は2010年から。本格的にコンペティション用のコーヒーとして注目されるようになったのは2014年以降のことです。
ラ・パパヤの最大の特徴は、圧倒的なデータ管理による栽培。農園内の土壌にはセンサーが張り巡らされ、24時間体制でデータを収集しています。温度、カリウム・カルシウム・マグネシウムといったミネラルレベルまで細かく記録され、その情報と収量データをもとに、最適な水やりや施肥の研究が行われています。まさに“データ派”の農園です。
こうして毎年蓄積されるデータによって、フアンさんが農園にいなくても土壌の状態を把握し、遠隔で灌漑や施肥をコントロールすることが可能になりました。現在では、この技術を近隣の農家にも共有し、サラグロ地域、そしてエクアドル全体のコーヒー産業の底上げにも力を注いでいます。感覚だけを伝えるのは難しくても、数値という共通言語があれば伝えやすい。そんな考え方が、この農園の姿勢をよく表しています。
農園全体では約35,000本のコーヒーの木を管理し、すべてに点滴灌漑システムを採用。アグロノミスト(農学者)の管理のもと、高品質なコーヒーだけを生産するという明確なビジョンを掲げています。その取り組みは高く評価され、フアンさんはSprudgeの「Notable Producer」を3年連続で受賞しています。テクノロジーと探究心、そして品質への強いこだわり。エクアドルのスペシャルティコーヒーを語るうえで欠かせない存在です。
数ヶ月前、Tri-Up社のエリックからいくつかエクアドルのサンプルをもらいました。ブラインドでテイスティングを行い、お気に入りのコーヒーを選んでみたのですが、結果的にどれもLa Papayaのコーヒーを選んでいました。私たち自身も驚きです。
エリックによると、La Papayaのコーヒーはエスプレッソでもフィルターでも楽しめるとのこと。確かに、ふくよかな甘さとジューシーな酸味のバランスに、自然と惹かれているのかもしれません。
焙煎は浅煎りで仕上げ、すっきりとした爽やかな酸味と、フローラルやハーバルな香りが上品に広がる一杯です。
淹れたては、シトラスやグリーンアップルを思わせる、軽やかでクリーンな印象。飲み進めるうちに、フローラルな香りとほのかに緑茶のようなニュアンスが重なり、味わいに奥行きが生まれていきます。冷めるにつれて、温州みかんのようなやさしい甘さを持つ柑橘の印象へ。さらに、ほんのりスモモを思わせるストーンフルーツの甘酸っぱさも感じられます。しっとりとした質感とともに広がるフレッシュな果実感。時間とともに変化していく味わいを、ぜひゆっくりとお楽しみください。
毎年変わらず届けられるクオリティと、その裏にある努力。
そのどちらにも、自然と敬意を感じます。
今年のLa Papayaも、ぜひゆっくりとお楽しみください。