キアンブの高地が生む、明るく複雑な味わい
丸い一粒に詰まった個性
Kiambu Handege
Philocoffeaにご来店いただき、ありがとうございます。
ケニアのコーヒーのご紹介です。
在庫わずかの商品のため、ケニア好きの方はお早めに...!
Handege Coffee Factoryは1960年代半ばに建設され、1972年に稼働を開始した歴史あるウォッシングステーションです。現在はRiitho Farmers Cooperative Society(FCS)によって運営されており、HandegeとWamugumaの2つのファクトリーを有しています。地域の小規模農家を支える中核的な存在ですね!現在、Riitho FCSには3,000名以上の農家が登録しており、そのうち約800名がHandegeにチェリーを持ち込みます。ケニアにおけるFCSの役割は単なる精製拠点にとどまらず、品質管理・販売・技術支援を含む重要なハブとして機能しています。「Handege」という名称は、スワヒリ語で鳥や飛行機を意味する「Ndege」に由来します。ケニア初代大統領の出身地であり、かつては簡易ヘリポートが存在し、ヘリコプターの離着陸が行われていたことから、この名が付けられました。この地域の農家は、在来種のシェードツリーの下でコーヒーを栽培し、乳牛を飼育しながら、自給用としてトウモロコシや豆類も栽培しています。
また、このロットの品質を語る上で欠かせないのが、キアンブという生産環境です。
標高1,700から1,800m。アバーデア山脈の斜面に広がるこのエリアでは、昼夜の寒暖差とゆっくりとしたチェリーの成熟により、糖と有機酸が高密度に蓄積されます。結果として、ケニアらしい明るい酸が形成されます。土壌は水はけの良い深い赤色の粘土質土壌。腐植質に富み、排水性と保水性のバランスに優れたこの土壌は、根の発達とミネラル吸収を促進します。さらにこの地域では、牛の堆肥を主体とした有機的施肥が一般的であり、化学肥料に依存しない栽培が行われています。気候は典型的な二峰性降雨パターンを持ち、長雨(3〜5月)と短雨(10から12月)が明確に分かれています。このサイクルが開花と収穫タイミングを規定し、メインクロップ(10から1月)とフライクロップを形成します。
精製工程は、ケニアのウォッシュドプロセスの中でも極めてスタンダードでありながら、精度の高さが際立ちます。完熟チェリーは手摘みで収穫され、ウェットミルで再度ハンドソーティング。パルピング後、約12から16時間の発酵工程によりミューシレージを完全に分解し、清水または雨水の貯水システムからの水で洗浄されます。その後、パーチメントはアフリカンベッド上で14から20日間かけてゆっくり乾燥。乾燥中は頻繁な攪拌と遮光管理が行われ、過乾燥や熱ストレスを防ぎながら均一な水分値へと仕上げられます。
Handegeのコーヒーは、繊細な甘さ、明るく際立った酸味、そしてフルーティーかつフローラルな風味を持っています。バランスの取れたフルボディの味わいは、多くの人を魅了しています。
<ケニアのコーヒーのグレードについて>
コーヒーのグレードの分け方や表記の仕方は、生産国によって異なります!ケニアの場合、生豆の大きさ(スクリーンサイズ)で分けられています。
・AA:スクリーンサイズ18以上
・AB:スクリーンサイズ16~17で、AとBの両方のコーヒー豆で構成されています。
・E :エレファントビーン、スクリーンサイズが 21 以上。
・PB :ピーベリー、通常1つの実に2つの種(豆)が入っていますが、1つしか入っていないもの。
・C:スクリーンサイズ12〜14
・TT:E、AB、AA グレードのコーヒー豆から比重の軽いものを集めたもの。
・T:スクリーン サイズ 12 未満、 C ではじかれた薄くて小さいもの、割れたり欠けているものを集めたもの。
・MH/ML:樹から落ちた物や収穫されなかったもの。
今回のロットはPB=ピーベリー!通常はコーヒーチェリーの中には、フラットビーン(平豆)と呼ばれる豆が2粒向い合わせで入っています。ピーベリーは1つしか入っていないためコロッと丸い形をしています。ぜひ豆の形をよく観察してみてください。
可愛らしい見た目なのですが、フラットビーンよりも表面積に対して体積が多く、焙煎の時の熱の伝わり方も異なってきます。焙煎前半の火力を少し優しく設定し、カラーチェンジまでの時間をゆったりととることで、内部までしっかりと熱が伝わるように調整を行いました。ケニアらしいジューシーな酸味だけでなく、濃厚な甘さも感じていただけるコーヒーです。
焙煎から3日後にカッピングしたときは、ベリーの印象がしっかり。カシスやブルーベリーのような甘酸っぱさが、口いっぱいに広がります。少しエイジングを置くと、ぐっと表情が変わります。オレンジやベリー、いちじくのようなカラフルな果実感に、ブラウンシュガーを思わせるコクのある甘さ。すっきり爽やかジューシー!というよりは、むっちり濃厚シロッピー!なタイプのケニアです。存在感のある味わいなので、ミルクビバレッジにしても美味しそうですね!
ケニアらしい鮮やかな果実感と、どっしりとした甘さ。
飲み進めるごとに表情を変えながら、最後の一口まで楽しませてくれる一杯です。
Handegeの土地と人の力が詰まったこのコーヒーを、ぜひゆっくりとお楽しみください。