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コスタリカのコーヒーのご紹介です。

＜San Isidro＞
コスタリカ・タラス地域のHacienda San Isidroは、2023年COE1位に輝いた農園です。その歴史は、元々トマトや玉ねぎを栽培していたジョエルが、偶然の出会いからコーヒーの世界に魅了されたことから始まりました。

ジョエルは、コスタリカでも有名なコーヒー産地ドタに住んでいながらも、長年コーヒーを飲む習慣がありませんでした。父の他界後に相続した農園を売却し、新たに購入した山岳地帯の土地は寒冷な気候のため農作物の栽培が難しく、長年手つかずのままになっていました。時が経ち、気候変動によってその土地が緑に覆われるようになり、周囲の農家がコーヒーを植え始めました。当初、ジョエルはイチゴの栽培を考えていましたが、ある日、近隣の農園で飲んだゲイシャ種のコーヒーの味に衝撃を受けます。その一杯が彼の価値観を変え、「この土地で最高のコーヒーを作ろう」と決意しました。

2012年、息子のマティアスと共に数千本のコーヒーの苗木を植え、品質向上を目指し独自の精選処理を開始。数年後にはCup of Excellence (COE)に入賞するほどの評価を獲得し、より標高の高い土地へと移転。こうして現在のHacienda San Isidroが誕生しました。農園では、土壌管理を徹底し、コーヒーの栄養バランスを整える独自の施肥プログラムを採用。その情熱と努力が実を結び、2023年のCOE優勝へと繋がりました。このロットは、完熟したチェリーのみを厳選し、アフリカンベッドにて薄い層で24日間じっくり乾燥させたナチュラルプロセスのコーヒーです。

甘く、お花のような香りが魅力的なHacienda San IsidroのGeisha Natural。水分値が9%、密度も高すぎない状態だったので、焙煎の前半は火力を強く当てすぎないように注意しながら焙煎を進めています。1ハゼから1分程度で焙煎を終了し、フローラルな香りを失わないように調整しています。

抽出直後は、レッドチェリーやオレンジのようなジューシーな果実感がしっかりと感じられます。冷めるにつれて、ゲイシャ種らしいフローラルで華やかな印象がじわじわと広がっていきます。温度によって風味が変化するので、あれさっきと違う！あ、また変わった！というように一口ごとに新たな発見のあるコーヒーです。(私はぬるいくらいが、ジャスミンのような華やかさが感じられ好きです。)ジョエルの人生を変えた一杯のように、このコーヒーでコスタリカゲイシャの美味しさを伝えられたら本望です。花開くように変化する味わいを、ぜひゆっくりお楽しみください。

＜豆情報＞
Producer: Joel & Mathias
Area: Tarrazu
Altitude: 1,900-1,950m
Varietal: Geisha
Process: Natural
Flavor notes:Red cherry, Bergamot, Floral, Smooth, Brown sugar, Dried apricot, Sweet aftertaste

焙煎度：浅煎り
エイジング：焙煎から14日後からがおすすめです。

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