“楽園”を意味する新世代アラビカ パライーゾ
Fazenda Guariroba
Philocoffeaにご来店いただき、ありがとうございます。
ブラジルのコーヒーのご紹介です。
そのユニークな味わいからファンも多い、グアリロバ農園のコーヒーが今年も届きました。グアリロバ農園の歴史は19世紀、Joao Ferreira Carneiro氏からはじまり、現在5代目のHomero Aguiar Paiva氏にそのコーヒーに対する熱意と伝統が受け継がれています。スペシャルティコーヒーの生産に特化し、近年では、新しい精製方法や栽培技術の開発に積極的に取り組んでいます。
パライーゾ (Paraiso)とは、
“楽園”を意味しており、ブラジルの研究機関EPAMIGで生まれた、カトゥアイ種とムンドノーボ種の交配による新世代アラビカ品種です。
力強い樹勢と安定した収量、優れた耐病性を備え、特に標高900〜1,200mの高地でそのポテンシャルを発揮すると言われています。
最大の味わいの特徴は、「柑橘系の明るい酸」と、それを支える「クリーミーな甘み」。
様々な発酵プロセスへの適応力が非常に高く、生産者の狙い通りのフレーバープロファイルを見事に表現します。 この品種は、テロワールとプロセスの個性を最大限に引き出し、世界中のカッパーを唸らせる複雑性とクリーンカップを両立させた稀有なコーヒーなのです。
生産の過程で重要な工程のひとつである、完熟した実だけを見極めるチェリーの選別は、グアリロバ農園の色彩識別に優れた女性チームが担当しています。手摘みするために、わずかな色の違いを見分ける繊細な感覚が求められますが、彼女たちの確かな目と感性が、一粒一粒の品質を見極め、香り高く味わい深いコーヒーづくりを支えています。 この手仕事が、コーヒーの甘みをより際立たせ、豊かな風味を実現しているのです。
精製方法は、低温・長時間嫌気性発酵(Low temp, long time
Anaerobic Fermentation)を施しています。
Gabriel氏は、発酵を「味わいをデザインする工程」と考えています。
このロットでは、15℃の一定温度で約20日間という、極めて繊細な低温長時間発酵を採用し、発酵にはステンレスタンクを使用し、内部温度を安定的に保つことで発酵の進行を精密にコントロールしています。もはや「発酵」というより「醸造」に近い思想で、「短時間で処理する」のではなく「時間をかけて豆の個性を創造する」というGabriel氏の新たな挑戦でもあります。
この時間をかけて穏やかに進む発酵により、微生物が糖分や有機酸をゆっくりと変化させ、クリーンで透明感のある甘みと、華やかで立体的な香りが生まれます。
そして、HONEYーIntermitent Dryingについては、発酵後のコーヒー豆をアフリカンベッドに一層して広げ、約40日かけて陰干しでじっくりと乾燥させます。
直射日光を避け、時間をかけてゆっくり乾燥させることで、急激な乾燥による豆へのストレスやダメージを防ぎ、内部の水分を均一に抜くことができます。
またこの方法により、コーヒー豆本来の豊かな甘みや良質な酸、複雑なフレーバーが最大限に引き出され、透明感のあるクリーンな味わいに仕上がります。
さらに丁寧な乾燥工程を経ることで、発酵の過程で生まれた複雑な香味成分が豆の内部までしっかりと浸透し、トロピカルフルーツやハニー、ワインを思わせる芳醇な香りが際立ちます。
こうしたこだわりの工程を経て、透明感のあるクリーンな味わいに、まろやかな酸味、深みのある甘み、そしてしっかりとしたボディが調和した、奥行きのあるコーヒーがPhilocoffeaに届きました。
比重選別、スクリーン選別、光学式選別などを終え、最終水分調整工程を行います。倉庫内で一定期間水分を安定化させ、最終含水率を目標値(10.5%)に調整します。
すべての精選・選別・乾燥工程を経た後、カップクオリティ検査を行います。
Q-Graderによるカッピングにより、香り、酸味、甘み、ボディ、後味など複数の指標を確認し、ロット全体の一貫性や品種特性の再現性を評価し、次のシーズンへと繋げていきます。
こうした徹底した品質管理、栽培方針のもと、グアリロバ農園は「Rainforest Alliance」「Carbon Negative」「Certifica Minas Café」といった認証の取得やCOEをはじめとした数々の受賞歴を誇っています。
焙煎は浅煎りに仕上げました。
この個性的な風味をより際立たせる為に、前半からしっかりと熱を入れることで、焙煎のトータルタイムを短く酸味の印象を明るさを保ちつつ強すぎない印象に、そして甘さがあり質感も厚みとジューシーに楽しんで頂けるコーヒーを目指しました。
これから益々暑くなる時期、アイスドリップにしてもこの個性的な風味を楽しんで頂けます。
ドリップしてみると、グアリロバ農園らしい、はっきりとした果実味あふれる風味に、カルダモンのような爽やかでスパイシーな印象も楽しめます。冷めるにつれて、はちみつのような甘さに、ブラジルらしい、ほのかなナッツ感もプラスされます。
暑くなるこの季節、このコーヒーのライムやレモンのようなフレッシュな風味で、爽やかな気分になれますように!