Philocoffeaにご来店いただき、ありがとうございます。
パナマのコーヒーのご紹介です。

粕谷が初めてベストオブパナマで落札したコーヒーです。
また、3月に橋本が実際に農園を訪問してきましたので、その様子も含めてこちらの農園紹介の文章をお楽しみください。

※こちらの商品は6/29焙煎でご用意いたします。

<Altieri>
Altieriはボケテの町から車でわずか10分ほど。パナマはバハレケというお天気雨(霧雨)が降ることがあるのですが、Altieriの精選所付近は朝からずっとバハレケが降りっぱなしでした。
到着してまず目を引くのは、洗練された建物と右手のテラス併設のカフェスペース。精選所はもともとAltieri財団が氷の製造販売をしていた施設を、コーヒー精選所へとリノベーションしたものです。5年前、パンデミックをきっかけに氷事業を閉じ、スペシャルティコーヒーへの転換を決意。古い氷貯蔵庫はそのまま活かされ、現在は温度・湿度管理されたダークルームとしてチェリーやパーチメントの保存に使われています。このリソースの活用と大胆な変革力に、Altieriの強さを感じます。
農園に到着したらすでに袋いっぱいのコーヒーチェリーが精製所の入り口にありました。収穫したチェリーは朝のうちにすぐ密度選別し、オーバーナイト発酵を行います。夜間に洗浄作業をせず水につけふやかしておくことで、労働負担の軽減と果肉が分離しやすくなり節水を両立することができます。乾燥には伝統的な天日乾燥と熱風乾燥を使い分け、季節や天候に応じて最適な環境を選んでいます。(熱風はコールドルームのエアコンの室外機の排熱を活用したり、工夫がいたるところに)
その後コールドルームと貯蔵庫へ。どちらも元々氷の貯蔵室だった場所にあり、温度と湿度の管理が徹底されています。Altieriが取り組んでいる「River Flow Fermentation」や「Dry Fermentation(DF)」などのプロセスの説明を受けながら見学しました。(BoP V-06のプロセスもこのDFでした!)隣の部屋では女性たちがハンドピックを行っており、出荷前に再度ハンドピックとロットの確認を行っているそうです。壁のホワイトボードにもびっしり文字が書いてあり、品質やトレーサビリティの管理を日々行なっていることが伺えます。

この日の午後は農園に向かいました。精製所とはうってかわって、太陽が燦々と降り注ぐ農園。恐るべしパナマのマイクロクライメット。区画には農園オーナーの孫の名前がつけられていて、綺麗に整備されていました。Altieriでは毎年剪定が行われ、剪定後に施肥を行い木の健康状態を管理しておるそうです。赤紫色のチェリーはトロピカルフルーツのように甘く華やかな味わい。美味しいです。
農園内にあるビニールハウスにはアフリカンベッドがあり、ここで乾燥を行っています。(結構蒸し暑かったです)収穫直後のチェリーは水分が多くバクテリアの繁殖が起きやすいため、まずアフリカンベッドの上段で2-3日乾燥させ水分を減らすそう。他の農園でも行ってるところがあり、彼らは"プリドライ"と言っていました。クリーンカップの秘訣ですね。その後コールドルームに移動したり、アフリカンベッドの2段目に移したり、などそれぞれ分かれていきます。天候によって左右されやすいため、先5日の天気予報を確認した上で予定をたて、急な天候変化にも柔軟に対応しているそうです。
Altieriはまだスペシャルティコーヒーを始めて間もない農園で、現在農園の拡大を進めているそう。また生産にとどまらず、観光・販売・焙煎を自社で手がけるモデルへと進化しています。生産者自身がコーヒーの最終体験まで届ける。Altieriのコーヒーを通して、彼らの情熱、挑戦、そして未来へのビジョンを、ぜひ皆さんにも感じていただけたらと思います!

<Dry Fermentation>
Best of Panamaの公式のサイトにこのコーヒーの農園情報が載っているので、ぜひご覧ください。

BEST OF PANAMA Auction 2024

このサイトを見ていて「プロセスが “Natural” と書いてあるけど、"DF" って何だろう?」と気になりました。農園を訪れた際に尋ねてみたところ、"DF" は “Dry Fermentation"の略だということを知りました。これは、チェリーを選別したあとにまず乾燥させて、その後に嫌気性発酵を行うプロセスです。
Altieri農園ではアフリカンベッドが上下2段になっており、最初は上段で日光をしっかり当てて3日から4日乾燥させます。その後、袋に密封して下段で陰干し状態にしながら発酵を進めるそうです。発酵後は天候やチェリーの状態に合わせて、上段→下段→上段と場所を移しながら丁寧に乾燥を続けていくとのことでした。
チェリーの乾燥初期は水分が多くカビが発生しやすいため、それを防ぎクリーンな味わいに仕上げるためにも、発酵の前に一度しっかりと乾燥させるというのが、このプロセスの特徴です。
訪問した際もちょうどアフリカンベットにたくさんのチェリーが敷き詰められていました。ビニールハウス内は甘酸っぱい匂いで充満していて、乾燥中のチェリーからはレーズンやドライクランベリーのような匂いが。とても甘く濃い香りだったことを覚えています。

さて、その味わいですね。(すみません...書きたいことが多くてここまで長くなってしまいました。)
甘さがギュッと詰まったこのコーヒー。豆の状態でも、干し葡萄のような香りが漂います。いいコーヒーだ。飲んでみると、パインやイチジク、レーズンのようなフルーツの印象。少しフローラルな香りやカカオのような味わいも感じます。フレッシュフルーツというよりはドライフルーツのような甘さが口いっぱいに感じられます。また少しブランデーのようなアルコールのような印象もあり甘いけど深みもある、複雑な表情を見せるコーヒーです。焙煎日から3週間後くらいからより複雑な味わいをキャッチしやすくなると思います。(今回は焙煎日6/29のものでご用意するので、今月の3連休が飲み頃ですね!)

粕谷が初めてベストオブパナマで落札した『BoP2024 V-06 Altieri Typica』
Altieriの情熱と探究心が詰まった特別な一杯で、
凝縮された甘さと奥行きのある味わいは、飲むたびに新たな発見があります。
ぜひこの特別な一杯をお試しください。

<豆情報>
農園名:Altieri
生産者:Altieri Family
エリア:Boquete
標高:1,800m
品種:Typica
生産処理:Dry Fermentation Natural
味わい:Dried pineapple, Raisin, Dried fig, Floral, Syrupy, Milk chocolate, Brandy, Round, Clean cup

焙煎度:浅煎り

【BoP V-06】
500 Panama Altieri Typica 50g~

販売価格 10,000円(税込10,800円)
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