進化と継続。惹きつけられる、甘酸っぱい果実感
Colombia La Esmeralda
Philocoffeaにご来店いただき、ありがとうございます。
コロンビアのコーヒーのご紹介です。
コロンビア・トリマ県、サン・イシドロに位置する「Finca La Esmeralda」。この農園は、ルビエラ・ベラスケスと夫のビテルモ・オルドニェスによって、1994年から時間をかけて築き上げられてきました。
最寄りの道路から歩いて2時間。
アクセスの難しいこの土地で、彼らは家族を支えるための小さな農園からスタートし、現在では品質を追求するコーヒー生産プロジェクトへと発展させています。その歩みは、コーヒー栽培に対する強い意志と、たゆまぬ努力の積み重ねそのものです。
標高1,900mから2,000mの高地に広がる農園では、カスティージョやカトゥーラ、ティピカ、ゲイシャなど複数の品種を栽培。さらに近年では、カトゥーラの突然変異種である「パパヨ」も導入し、より高品質なコーヒーを目指した取り組みが続けられています。標高2,000mでの栽培という難しい条件の中、4年にわたり試行錯誤を繰り返しながら、発酵プロセスを品種や気候に合わせて細かく調整。その結果、品質は着実に向上し、カトゥーラのロットは2023年のコロンビア・ウォッシュド・フェスティバルで13位に入賞するなど、高い評価を得るまでになりました。
彼女のキャリアは、叔父の農園での日雇いの労働から始まりました。そこから夫と共に自身の農園を築き上げ、品質を追求し続ける現在に至るまでの道のりは、コーヒー生産における「継続」と「進化」を体現しています。環境や条件の変化に柔軟に対応しながら、より良い一杯を追い求める姿勢。その積み重ねが、このコーヒーのクオリティとしてしっかりと表れています。
伝統的なウォッシュトプロセスのコーヒーですが、りんごやストーンフルーツを思わせる、やさしい甘酸っぱさが印象的な一杯です。カッピング会で初めて口にしたときも、ひとつだけ色合いが違うような、自然と惹きつけられる魅力がありました。
サンプルローストで最初に焙煎したロットでも、その果実感はしっかり感じられて美味しかったのですが、少し甘さが重く、やや落ち着いた印象。そこで、わずかに火力を上げて焙煎時間を短くし、酸のボリュームをプラス。よりフレッシュな果実のような、軽やかでいきいきとした甘酸っぱさを引き出してみました。
リンゴやプラムを思わせる、甘くやわらかな味わい。温かいうちはフローラルな香りも感じられ、よりエレガントな印象です。淹れたての華やかな香りは、特にお気に入りのポイントです。カップから手が離れなくなります笑。
冷めるにつれて、みかんのようなシトラスのニュアンスへと変化し、より甘酸っぱくジューシーな印象に。味わいの変化も、このコーヒーの魅力のひとつです。焙煎日から2週間ほど経つと、さらに華やかでバランスの取れた味わいに。時間の経過による変化も、ぜひお楽しみください。
進化と継続。年月をかけて積み重ねられてきた努力が、この一杯の中に静かに息づいています。一口ごとに変化していく味わいとともに、このコーヒーが歩んできた時間にも、少しだけ思いを巡らせていただけたら嬉しいです。