家族の伝統と新しい挑戦
La Piragua
Philocoffeaにご来店いただき、ありがとうございます。
コロンビアのコーヒーのご紹介です。
アイスコーヒーにもぴったりな深煎りで仕上げました。
コロンビア南部、ウイラ県パレスティナ。(何度かここのエリアのコーヒーは取り扱っていますね!)標高1,600mから1,800mの山々に囲まれたLa Piragua農園で、こちらのコーヒーは育まれました。
生産者のアレクサンダー・バルガスさんは、15歳の頃から両親とともにコーヒーづくりを学び、20歳でスペシャルティコーヒーの生産に本格的に挑戦。それから20年以上にわたり、新しい品種や精製方法を試しながら、自分だけの味わいを追い求め続けています。Pink BourbonやGeishaなどさまざまな品種を扱い、その品質はCup of Excellenceにも何度もノミネートされるほど高く評価されています。
品質へのこだわりは、農園の中に自らカッピングラボを作ってしまうほど。収穫したコーヒーを一つひとつ評価し、「もっと美味しくできるはず」と、次の収穫や精製へ活かしています。一方で、農園ではドラゴンフルーツも栽培しています。コーヒーだけに頼るのではなく、農園を長く続けていくための工夫を重ねながら、未来を見据えた農業にも取り組んでいます。
今回ご紹介するのは、Striped Red Bourbon。完熟すると赤いチェリーにオレンジのストライプが入っていることから名づけられた品種だそうです。完熟したチェリーは密閉した樽の中で60時間発酵させ、その後18日間かけてゆっくりと乾燥させています。シンプルな工程に見えますが、発酵時間や乾燥を丁寧に積み重ねることで、この品種ならではの個性がきれいに引き出されています。
アレクサンダーさんは、「コーヒーづくりは仕事ではなく、自分の情熱そのもの」と語ります。家族から受け継いだ農園を大切に守りながら、新しい挑戦を恐れず続ける姿勢。その積み重ねが、このコーヒーにもまっすぐ表れているように感じます。
今回はしっかり深煎りで仕上げてみました。生豆の袋を開けた瞬間に洋酒のような香り。これはしっかり奥行きのある深煎りにしたいと、直感的に思いました。水分値が高めの豆だったので焙煎の前半からしっかりと火力をかけています。焙煎時間は9分台と短めに設定し、この豆の持つ果実感を閉じ込めたまま深煎りに仕上げました。エイジングを10日ほどとると見た目がテリテリになりしっかり苦そうに見えるのですが、飲んでみると結構甘味が強くてギャップにときめくコーヒーです。
淹れたては、ダークチョコレートやアップルブランデーを思わせる、カカオや洋酒のような香りが口いっぱいに広がります。少し温度が落ち着いてくると、ダークチェリーや巨峰のような果実味を伴った甘さがじんわりと現れ、より奥行きのある味わいへと変化していきます。深煎りらしい滑らかで厚みのある質感がありながら、鮮やかな果実味もしっかりと感じられる。その絶妙なバランスが、このコーヒーの一番の魅力です。
アイスコーヒーにしても美味しく、少し粗挽きにして軽やかな果実感を楽しむのもおすすめです。反対に、少し細挽きにして抽出すると、洋酒をロックでゆっくり味わうような、重厚で深みのある表情を見せてくれます。その日の気分に合わせて、ぜひさまざまな表情を楽しんでみてください。