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エルサルバドルのコーヒーのご紹介です。
<Finca Himalaya >
エルサルバドルのアパネカ山脈にある柔らかな火山性粘土の土壌に位置するFinca Himalayaでは、シェードグロウン(木陰栽培)条件のもとで多くのコーヒーが栽培されています。農園主のマウリシオとそのチームは、サイプレス(豪州ヒノキ)や松の木を使ってミツバチ、ウサギ、蝶、さまざまな鳥類の生息地を提供しています。
この農園では1875年からコーヒー栽培が行われており、エルサルバドルで初めての「スペシャルティコーヒー農園」としても知られています。さらに、Finca HimalayaはProject Origin(オーストラリアのSasa Sestic(ササ・セスティック/2015年ワールドバリスタチャンピオン)が創設した生豆買付会社です。)の「スーパーナチュラルプロセス」の発祥地でもあります。
マウリシオと共に行うスーパーナチュラルプロセスでは、チェリーを厚く積み重ねて温度を上昇させ、数時間おきにかき混ぜ、夜間はビニールシートで覆って発酵を促進します。数日後には通常のナチュラルプロセスに移行し、チェリーを薄く広げて乾燥させ、頻繁に撹拌して透明感を高め、最終的にはボデガ(倉庫)に運ばれて休ませた後、脱穀と輸出準備が行われます。これらの実験はすべてマウリシオとの協力のもとで行われており、現在ではこのスーパーナチュラルプロセスは他の多くの国でも活用され、コーヒーの風味に多様性をもたらしています。
マウリシオとProject Originとの関係は、2011年のブラジルでの出会いから始まりました。当時マウリシオはナチュラルプロセスについて学ぶためにブラジルを訪れており、Project OriginのSasaは初めての産地訪問をしていました。5か月後には、Sasaがエルサルバドルのマウリシオの農園を訪問することになります。
マウリシオはアタコおよびアパネカ地域に5つの農園(Cruz Gorda、Finca Himalaya、Villa Galicia、Tablon Divisaderoなど)を運営しており、自然環境とユニークなマイクロクライメイトを活かして高品質なスペシャルティロットを生産しています。彼の農園では多くのコーヒーがシェードグロウンで栽培されており、乾燥エリアも多層構造になっていて、上層では日光を十分に浴びせ、下層では日陰でゆっくり乾燥させることができるそう。マウリシオは生産のすべての工程で丁寧な作業を行うことで知られていて、各ロットは収穫日ごとに記録され、精製設備も非常に清潔に保たれています。環境への配慮も徹底しており、ウォッシュトプロセスには雨水を利用し、果肉を取り除いた後のチェリーの皮は乾燥させて、ブルボンやパカマラ種由来の美味しいカスカラティーとして再利用しています。
<Super Natural>
名前の響きからつい注文したくなってしまう「スーパーナチュラル」。このプロセスは、Project Originが数年間にわたりカーボニックマセレーションの技術を応用して開発した、特別なナチュラルプロセスです。
Finca Himalayaでは、まずコーヒーチェリーを収穫し、手作業で選別し、水に浮かべて未熟果や過熟果を取り除きます。その後、チェリーをアフリカンベッドに厚く積み上げて発酵温度を高めることで、甘さやフルーツの風味を強調します。同時に、日陰で乾燥させることで乾燥プロセスをより細かくコントロールします。この期間中、発酵がちょうど良い具合に進むよう、数時間おきにチェリーをかき混ぜます。
3日から5日ほど経過すると、チェリーを薄く広げて水分の減少を助け、昼間に乾燥を促進させます。そして夕方には再びチェリーを積み重ね、ビニールシートで覆って内部の温度を数時間維持するようにします。このプロセスは6日から12日間続けられ、その後は通常のナチュラルプロセスへと移行します。水分含有量が10から12%になるまで、アフリカンベッドに薄く広げて頻繁に撹拌しながら乾燥を続けます。
乾燥後は、脱穀と輸出準備までの間、チェリーポッド(果皮)に包んで保存することで、糖分とフルーツフレーバーを最大限に吸収させているそうです。通常のナチュラルプロセスに比べ、乾燥工程に工夫を加えることで、よりユニークで印象的なフレーバーが生み出されています。
今回は、Super Naturalならではの甘さをしっかりと楽しんでいただけるよう、中煎りで焙煎を調整しました。短時間で焙煎するとハーバルな余韻が強くなり、果実感がやや弱まってしまったため、1ハゼまでの時間をしっかりと確保し、果実感とハーバルな余韻のバランスが取れるように仕上げています。(焙煎中も、焼きリンゴのような甘い香りがふわっと漂って、とても幸せな気分になります…!)
淹れたては、焼きリンゴやくるみ、キャラメルのような甘さの中に、さくらんぼのような酸味がアクセントとして感じられます。冷めるにつれてドライオレンジやクランベリーのような果実感が現れ、味わいがワントーン明るくなる印象です。後味には焙煎由来のほろ苦さと、エルサルバドルらしいハーバルな香りが残り、滑らかな質感とともに心地よく余韻を残します。
"Supersonic”という名前が付けられたコーヒーですが、派手さよりも、バランスの取れた落ち着いた印象が魅力的なコーヒーです。丁寧な作業と品質管理の積み重ねから生まれた一杯であることが、味わいからも伝わってきます。ふくよかな甘さに包まれた、酸味と苦味の絶妙な調和を、ぜひお楽しみください。
<豆情報>
Farm:Finca Himalaya
Producer: Mauricio Salaverria
Area: Apaneca Ataco, Ahuachapan
Altitude: 1,500m
Varietal: Bourbon, Pacas
Process: Super natural
Flavor notes:Baked apple, Walnut, Red cherry, Dried orange, Caramel, Herbal, Round, Smooth
<FOR WORLDWIDE SHIPPING>
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