インドネシアコーヒーの価値を世界へ届ける
CATUR Coffee Company
Tiganderket-Sinabung mountain
Philocoffeaにご来店いただき、ありがとうございます。
インドネシアのコーヒーのご紹介です。
北スマトラのシナブン山周辺に位置するこのロットは、活火山の恩恵を受けた肥沃な土壌と、標高1,200mから1,400mの環境で育てられています。農園を率いるスリ・カシアニ・br・センビリンのもと、約250世帯が関わり、地域全体でコーヒー生産を支えています。コーヒー農園の総面積は約175ヘクタール、植えられているコーヒーの木は約35万本にのぼります。年間の生産量は、およそレッドチェリーで1,800トン、グリーンビーンズで350トンと推定されています。野菜や果物の栽培も盛んなこの土地は、コーヒーにとっても非常に恵まれた環境です。
マンデリンを始めとするインドネシアのコーヒーの特徴はやはりスマトラ式と呼ばれる独特な精製方法にあると言われています。コーヒーは通常チェリーのまま(ナチュラル)か、パーチメントの状態(ウォッシュド)で乾燥させますが、スマトラ式ではパーチメントの殻を外して生豆の状態にしてから乾燥させています。通常、乾燥工程には1〜2週間必要とされますが、生豆の状態にしてから乾燥させることで3日程度で完了させることが可能となるそうです。雨の多いインドネシアの気候的に早く乾燥できることが重要なんですね。
こちらのロットも完熟チェリーの収穫後、8時間から12時間の発酵 。パルピングを行い、パーチメントの状態で水分値25〜30%まで乾燥。その後脱殻し、グリーンビーンズの状態で水分値13%まで乾燥を行っています。
このような特殊な乾燥方法を取り入れていることでインドネシアの独特な風味が生まれているようです。
また、このコーヒーはインドネシアのコーヒーカンパニー「CATUR Coffee Company」より購入しました。昨年、Philocoffea表参道店にてカッピングイベントを開催し、現地のコーヒーに対する取り組みや品質への姿勢に直接触れる機会がありました。CATURは、2024年のWorld Barista ChampionであるMikael Jasinが共同で立ち上げたコーヒーカンパニーで、生産から品質づくり、そして世界への発信までを一貫して行う存在です。
詳細については、CATUR Coffee Companyのウェブサイトもぜひご覧ください。
https://www.catur.coffee/
マンデリンはこれまでどっしりとした深煎りに仕上げることが多かったのですが、今回は初めて浅煎り寄りで調整しました。インドネシアのコーヒーは、味わいだけでなく焙煎の挙動にもクセがあり、扱いが難しい豆のひとつです。今回のロットは水分値が非常に高く、前半にしっかり火力を入れてサンプルローストを行いましたが、それでもややカロリーが足りず、グリーンな印象が残ってしまいました。
そこで、バッチサイズ(1回に投入する生豆の量)を1kg減らし、再度焙煎。焙煎時間は約10分とややゆったりめに取り、全体のバランスを整えるイメージで仕上げています。焙煎中にはハーブのような香りも感じられ、改めてインドネシアらしい、個性の強い唯一無二のコーヒーだと実感しました。
粉に挽いた瞬間、ハーバルでお茶のような香りと、インドネシアらしい草木を思わせるアーシー(earthy)な香りが広がります。口に含むと、その個性的な香りの中から、赤りんごやシトラスフルーツを思わせるやわらかな果実感がじんわりと広がっていきます。アーモンドのような香ばしさや、ほんのりとしたスパイスのニュアンスも感じられ、飲み進めるほどに表情が変わっていく印象です。
冷めてくると、味わいはよりお茶のように落ち着いた方向へ。ユニークでありながら、気づけばすっと飲み進めてしまう、そんな不思議な心地よさのある一杯に仕上がっています。