ハーバルさと果実味が織りなす、不思議な魅力
Burundi Kajabure
Philocoffeaにご来店いただき、ありがとうございます。
ブルンジのコーヒーのご紹介です。
アフリカ大陸の東側中央に位置するブルンジ。西にはタンガニーカ湖が広がり、北にルワンダ、東にタンザニア、西にコンゴ民主共和国と、コーヒー生産国に囲まれた小さな国です。その広さは、日本の四国より少し大きいほど。「Les Mille Collines(千の丘の国)」とも呼ばれ、国土のほとんどが標高1,500mを超える高地にあります。
ブルンジで栽培されるコーヒーのほとんどは、ブルボン種です。1930年代、当時この地を統治していたベルギーによって持ち込まれたこの品種は、約90年経った今でも人々の手によって大切に受け継がれています。ブルンジには大規模な農園がほとんどなく、多くの生産者さんは自宅の裏庭などで200から250本ほどのコーヒーノキを育てています。年間の収穫量も決して多くはありませんが、家族の暮らしの中で丁寧に育てられています。収穫されたチェリーは地域のウォッシングステーションへと運ばれ、精製されます。今回ご紹介するコーヒーは、Kajabureウォッシングステーションで生産・加工されたロットです。
このコーヒーの背景には、「Akawa Project(アカワプロジェクト)」という取り組みがあります。ベルギーの生豆サプライヤー Supremo社と、ブルンジの現地パートナーであるSUCCAM社、SACOBU社が協力し、小規模生産者の持続可能なコーヒー生産を支えるプロジェクトです。2016年の立ち上げ以来、11,000人を超える生産者に対して、資金支援や農業指導、水インフラの整備など、さまざまなサポートが行われてきました。
ブルンジでは、コーヒーノキの老朽化による生産性の低下も課題となっています。Akawa Projectでは苗木育成施設を運営し、新しいブルボン種の苗木を配布することで植え替えを促進。さらに、剪定や栽培管理のトレーニングも実施しながら、伝統品種を守りつつ品質向上を目指しています。
”生産者が自立し、未来へ向けてコーヒーづくりを続けられること”
そんな想いのもと、地域に寄り添いながら少しずつ歩みを重ねているプロジェクトです。
ブルンジのコーヒー、久しぶりな気がします。
ブルンジのコーヒーは、少しハーバルな後味が特徴的です。最初のひと口は「少し個性的かも?」と感じることもあるのですが、不思議と気づけばもうひと口、もうひと口と手が伸びてしまいます。そんな独特の魅力を持った産地です。
最初は、誰にでも親しみやすいバランスの良い中煎りにしようと考えていました。しかし、サンプルローストを重ねるうちに、「せっかくならブルンジらしいハーバルな香りと明るい酸味を楽しんでいただきたい」と思うようになり、最終的には浅煎りで仕上げることにしました。1ハゼの後のディベロップタイムを1:20程度とることで、個性と全体のバランスを整えています。
ブルンジらしいハーバルな香りに、レッドアップルやみかんを思わせる、やわらかく明るい酸味。口に含むと、ナッツや栗のようなほっこりとした甘さが広がり、それぞれの味わいを包み込むように全体をやさしくまとめてくれます。飲み心地は軽やか。それでいて、しっとりとした粘性のある質感があり、どこか心地よい余韻。温度が少しずつ下がってくると、今度は紅茶のようなニュアンスも顔をのぞかせ、クッキーやビスケットなどの焼き菓子と合わせたくなるような表情に変わっていきます。
味わいを色で表現するなら、落ち着いた茶色の中に、紫や赤、オレンジの色彩がゆらゆらと揺らめいているようなイメージです。野性味のあるワイルドさと、どこか上品で繊細な印象。その相反する魅力がひとつのカップの中に同居している、不思議なコーヒーです。
ブルンジならではの味わいを、ぜひゆっくりとお楽しみください。