鮮やかな酸味と重厚な甘さ、クラシックなケニアの良さ
Kii Factory
Philocoffeaにご来店いただき、ありがとうございます。
ケニアのコーヒーのご紹介です。
Kii Factoryはケニアの中央部、キリニャガに位置します。1953年に設立されたルンゲト農協が所有する3つの水洗工場の一つで、1995年に設立されました。現在は周辺の約1,200名の小規模生産者が加盟し、それぞれの農園で収穫したコーヒーチェリーを持ち寄っています。「キイ」という名前は、この地域を流れるキイ川に由来しています。精製に欠かせない水源に恵まれた環境のなかで、昔ながらの丁寧なウォッシュドプロセスが行われています。
この地域の土壌は赤土のため鉄分をはじめ、マグネシウムやカリウムなどのミネラルを豊富に含んでいます。年二回の雨季は 1,400mmほどの降雨をもたらし、平均13-24°Cの理想的な気温を示しています。そのためここでは通常4月、10月 の2度の収穫期があり、主にSL28、SL34が全生産量の99%を占めています。
環境保全への意識も高く、排水ピットを設置し、土の層の仕組みを利用して排水をろ過し、土に戻す取り組みを行ったり、加盟農家に対して植樹を促進したりしています。栽培に当たっては農家研修プログラムや農務省が実施する現地視察を通じて、ガイドラインに沿った除草、剪定、灌漑、施肥などの技術的なアドバイスを提供しています。また福祉面での取り組みの一環として、農家のモチベーション維持のため農業資材の投資や、賃金の先払いなどのサービスも行っているそうです。
収穫されたチェリーは、水洗工場へ搬入される前に、生産者の手によって完熟したものだけが選別されます。その後、水流と比重を利用したパルパーで果肉を取り除き、発酵、水洗、ソーキングを経て、アフリカンベッドの上でゆっくりと乾燥。乾燥後は木製のサイロで30日から40日ほど休ませ、風味と水分を安定させてから脱穀されます。一つひとつの工程に手間と時間をかけることで、ケニアらしい透明感のある酸味と、密度のある甘さが生まれます。
ニュークロップのケニアが、今年もやってきました。こちらのKiiは、明るい酸味と少し重たさのある口当たりが印象的な、クラシックなケニアらしさを感じられる一杯です。生豆は密度、水分値ともにしっかりとあり、その良さを最大限に引き出せるよう、投入温度を高めて焙煎をスタートしました。1ハゼを迎える頃には温度上昇が緩やかになるため、焙煎後半までしっかりと熱を加えながら、ケニアらしい鮮やかな酸味と甘さを丁寧に引き出しています。
焙煎後のカッピングで、粕谷がひと言。
「これ!クラシックなケニア!」
まさに、その言葉がぴったりな味わいです。
みかんのようなシトラス感に、カシスを思わせる赤い果実のジューシーな酸味。粘性のある少し重ための質感が、その明るい酸味をやさしく包み込みます。後味にはほのかにハーバルなニュアンスも感じられ、どこかワイルドで力強い印象も魅力です。Philocoffeaらしさとして意識したのは、酸味だけで終わらせないこと。ブラウンシュガーのような甘さをしっかりと引き出すことで、ケニアらしい鮮やかさと、飲みごたえのあるボディをひとつにまとめました。
ケニアがお好きな方にはもちろん、久しぶりに"王道のケニア"を飲みたい方にも、ぜひ手に取っていただきたい一杯です。