家族の伝統と新しい挑戦
El Avion農園
Philocoffeaにご来店いただき、ありがとうございます。
ニカラグアのコーヒーのご紹介です。
生産者のマリオ・ゴンザレスは、ニカラグア・ヌエバ・セゴビア県でEl Amparo、El Avion、Los Suyatesの3つの農園を経営しています。
そのうちこのコーヒーが作られたEl Avion農園は「飛行機」を意味しています。
2006年以前、この土地では松の木を中心とした林業が行われていました。
しかし、法律によってこの地域の木材生産が大幅に制限されたため、Gonzalez家は大きな決断をし、コーヒー生産へと事業を転換することにしました。
それまで一度もコーヒーの木が植えられたことのなかった土地で、Gonzalez家はゼロから松林だった土地を素晴らしいコーヒー農園へと変えていきました。
農園の発展には、農学者である義理の息子ハイロの存在が大きく貢献しました。彼らはは大きな針葉樹の木々の下に、さまざまなコーヒーの木を植えました。
これらの大きな木々が作り出す日陰は、コーヒーの木が育つのに適した環境を作り出します。
また、地面に落ちた松の葉は、十分なグランドカバー(地表を覆う有機物)となり、コーヒーの木が受け取る雨水の量を妨げることなく、土壌を保護しています。
マリオ一家は自然由来の資材を用いて土壌を丁寧に管理し、その豊かな土壌が優れた品質のコーヒーを生み出しています。現在では、孫世代も農園経営を学び始めており、家族のコーヒーづくりを次世代へ受け継いでいます。
また、彼の農園では毎年同じ収穫スタッフ(ピッカー)が戻ってきます。これはとても珍しいことで、ピッカーの方々へ十分な賃金を支払うことで、お互いを支え合っています。その結果、完熟したチェリーだけを丁寧に収穫することができ、毎年安定して優れた品質のコーヒーが生産されるのです。
さらにマリオ一家は、ニカラグアの現地パートナーであるBridazulと密接に関わっています。
彼らのコーヒーはBridazulを通して精製が行われ、各国へ輸出されています。
「Brid」は一般的にケーブルタイやクランプを意味しますが、より広い意味では「結ぶ」「つなぐ」という意味を持ちます。「Azul」は「青」を意味し、ニカラグア国旗の主要な色でもあります。
この2つの言葉を組み合わせた「Bridazul」という名前には、コーヒー農園と世界中のお客様をつなぐという意味が込められています。
Bridazulの精製施設には、発酵タンク、ウェットミル、複数種類の乾燥ベッド、カッピングルーム、そして最近導入されたドライミルがあります。精製設備は高額になることがあり、また農園の標高が影響し、適切な乾燥が難しい場合があります。Bridazulは自分たちが精製や輸出に関わる業務の担うことで、生産者の方々が高品質なコーヒーを生産することに専念できるようサポートしています。
また、Bridazulは農業と品質管理に関する知識について、生産者へ教育も行っています。
Bridazulのチームを運営・管理しているのは、クラウディア・ロボ。
コーヒー業界で活躍する女性として、Claudiaは誇りを持ってチームを率いており、ミルで働くフルタイムスタッフの80%が地元の女性で構成されています。
カッピング会でこのコーヒーに出会った時、優しく心地の良い甘さに魅了されました。このコーヒーの優しい甘さが存分に楽しめるよう、焙煎は浅煎りにしました。コーヒー豆の粒が大きく、水分値がやや高めのコーヒー。焙煎の前半から緩やかに火力を上げていき時間をかけて焙煎することで、豆の内部まで熱を届け、心地の良い甘さが感じられるように調整しました。
焙煎時間は9分台と短めに設定し、この豆の持つ果実感を閉じ込めたまま浅煎りに仕上げました。
青リンゴを思わせる優しい酸味にヘーゼルナッツやサトウキビのような甘さが続きます。冷めるにつれて、甘さは徐々に増していき、さらにほのかにシトラスの風味も加わり軽やかな一杯が楽しめます。暑さが徐々に和らいでいくこの季節、優しくクセのない味わいで、朝一のホットコーヒーにおすすめです。