軽やかで甘い、ディカフェの新しい選択肢
Ethiopia Tade GC
Philocoffeaにご来店いただき、ありがとうございます。
エチオピアのカフェインレスのコーヒーのご紹介です。
タデGG農園は標高2,000mを超えるオロミア州グジ地区シャキッソ村に位置しています。
このシャキッソ村は、昔大きな山火事で森林が焼失し、ごくわずかな森林と広大な土地だけが残った場所であり、地域復興への強い意志を持ったタスファイ氏がコーヒー生産に取り組みはじめました。たゆまぬ努力の結果、コーヒー生産を通じ自然環境の復活はもちろんの事、経済的に豊かではなかったシャキッソ村に多くの雇用を生み出し、地域住民にも持続的発展へのサイクルが生まれています。タデGG農園のコーヒーは農園主で農学者でもあるタスファイ氏の情熱と復活した豊かな自然が育んだ努力の証です。また、タスファイ氏はコーヒー生産を持続可能にするためには収穫後の品質管理も重要と考えています。
農園から約20km離れた場所に保有するに精選所で、収穫したコーヒーを全て水槽を使って選別、選別されたコーヒーは、アフリカンベッドの上で乾燥、その際丁寧にハンドピックし、熟度の高い果実だけを脱殻する管理を実施しています。
〇マウンテンウォーター製法
カフェイン以外の旨み成分が残り飽和状態になっている水にコーヒー生豆を浸し、カフェインだけが溶け出す環境を作ることによってカフェインを抽出。
お客様からも「新しいディカフェのコーヒーは出ませんか?」と、たびたびお問い合わせをいただいており、私たち自身もずっと探していました。そんな中、今年の秋ごろに、粕谷から突然「美味しいディカフェを見つけた!」と連絡があったのが、こちらのエチオピアです。
生豆が届いてすぐに、ストロングホールドでサンプルローストを行いました。ひと口飲んで「美味しい!」と素直に感じ、焙煎度違いでもいくつか試してみたのですが、特に浅煎りは、スムースな口当たりと、ほんのりベリーを思わせる明るい味わいが心地よく、好評でした。
Loringでの本焙煎では、短時間で仕上げるアプローチを採用しています。ディカフェの生豆は、通常の生豆とは異なり、やや焦茶色がかった見た目をしています。プロセスに加えてディカフェ処理が施されているため、豆が少し脆いのではないかと想定し、焙煎初期からやや強めに火力をかけ、内部までしっかりと熱を伝え、繊維を伸ばすようなイメージで焙煎しました。
ミルクチョコレートのような甘さと、なめらかな口当たり。冷めてくるにつれて、ベリーやレッドチェリーを思わせる果実感が、少しずつ顔を出します。定番の025 メキシコ ディカフェよりも軽やかな味わいですが、冷め切るまで甘さがしっかりと寄り添い、また違ったジャンルの飲みやすい一杯に仕上がっています。(個人的には、少し重さがあってするんとした口当たりが、なんだかほっとしてとても好みです。)
「今日はちょっとすっきりしたコーヒーが飲みたいな」という日に、ぴったりの一杯。
飲みごたえのあるメキシコと、軽やかなエチオピア。カフェインが気になる方にも、こんな選択肢があったらいいなと思っています。それぞれの違いを感じながら、ゆっくり飲み比べていただけたら嬉しいです。