果実味と旨みが重なる、ナチュラルプロセス
Rwanda Kabuye
Philocoffeaにご来店いただき、ありがとうございます。
ルワンダのコーヒーのご紹介です。
カブイエはルワンダ南部フイエ郡のマラバセクターに位置するコーヒー産地です。
マラバセクターはルワンダ国内でも特に優れたコーヒー産地として知られており、2000年前後に始まったルワンダにスペシャルティコーヒーを導入するプロジェクトにおいて、パイロットエリアの一つに選定されました。当時、そのプロジェクトで農業技官を務めていたデイビットさん(現在はHuye Mountain Coffeeというブランドを立ち上げています)は、カブイエ地域のポテンシャルを高く評価していました。独立・起業後は、David and Family 社のマイクロロット生産ゾーンの一つとしてカブイエを選び、10年以上にわたり地域の農家からコーヒーチェリーを買い付けています。
カブイエはフイエ郡の中でも特に標高が高く、「イビシ・ビャ・フイエ(Ibisi bya Huye)」と呼ばれる山脈の中に位置しています。この山脈は、フイエ郡の最高峰であるフイエ山から国立公園ニュングエの森へと連なっています。なお、ルワンダで初めて開催されたカップ・オブ・エクセレンスでは、カブイエ周辺の地域で生産されたコーヒーが第1位を獲得しており、その品質の高さが認められています。
SHRUB COFFEEのカッピング会で出会った、こちらのコーヒー。
ナチュラルプロセスらしい華やかなフレーバーに、独特の発酵感と旨味のある味わいが印象的で、惹きつけられました。浅煎りというよりは、このコーヒーが持つ鮮やかさを、中煎りから深煎りのレンジで、より複雑に表現したい。そんなイメージで焙煎に取り組んでいます。
水分値が高く、密度もしっかりとある豆だったため、最初はやや短時間で中深煎りに仕上げてみましたが、少し苦味と旨味が前に出る印象に。そこで焙煎時間をもう少しだけ伸ばし、甘さ・酸味・旨味がバランスよく感じられるよう、調整を重ねました。
オレンジやクランベリーをドライフルーツにしたような、酸味の中に甘さと旨味が重なる味わい。橙やえんじ色を思わせる、深みのあるフレーバーです。キャラメルのような、ほろ苦さを伴った甘みと、後味にふんわりと残るハーバルな香りも印象的。
焙煎由来の甘みと苦味、そして産地の個性がどちらも感じられる中煎りは、抽出方法によって表情が変わるのが魅力的だと私は思います。朝の一杯は、少し粗挽きですっきりと。午後のティータイムには、やや濃度感を出して飲みごたえのある一杯に。シーンに合わせて、ぜひいろいろな楽しみ方を試してみてください。