研究と時間が育てた、奥行きある深煎り
Colombia Juan Martin
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コロンビアのコーヒーのご紹介です。
在庫わずかの商品となっております、気になる方はお早めに...!
Juan Martin農園は、「コーヒー栽培の原点に立ち返る」ことを目的に、2018年に設立されました。実験的かつ研究型の農園として、コロンビアの生産者たちと共に学び、研究し、知識や経験を共有しながら、コーヒー産業全体の生産・精製技術の向上を目指しています。近年、さまざまなコーヒーショップで名前を見かける機会が増えてきた農園ですね!農園名の「Juan Martin」は、オーナーであるフリアン・ルイスとサラ・ポラス夫妻の第一子の名前に由来しているそうです。家族としての大切な意味合いに加え、高品質なコーヒーづくりへの新たな一歩を象徴する名前になっています。
Juan Martin農園では、安定した品質と優れた風味を保つため、栽培されるすべての品種に対して厳密な評価を行っています。栽培方法や精製プロセスは常に見直され、改善が重ねられています。こうした地道な取り組みが、農園全体のクオリティを支えています。また、サステナビリティへの意識も非常に高く、ポパヤン(コロンビア南西部・カウカ県の県都)には488枚のソーラーパネル(総出力201.6kWp)を設置。年間で約105.3トンのCO₂削減を実現しており、これは約421本の植林に相当する効果とされています。
農園はコロンビア・カウカ県ソタラに位置し、プラセ火山とソタラ火山に挟まれた場所にあります。自然資源と生物多様性に恵まれた地域ですが、地形や気候、環境条件は非常に特殊で、コーヒー栽培は決して容易ではありません。標高は2,050m。高地ならではの低温環境によってチェリーの成熟はゆっくりと進み、その結果、奥行きのあるフレーバーと高い甘さを持つコーヒーが生まれます。さらに、火山由来の土壌はミネラルが豊富で、低温環境は病害虫の発生を抑える効果もあります。
Juan Martin農園では、施肥を行う前に以下の3つの分析を実施しています。
・土壌分析(栄養素の状態を確認)
・葉の分析(植物の栄養状態を確認)
・クロマトグラフィー分析(ミネラル・有機物・微生物の関係を確認)
これらのデータをもとに、土壌と樹木それぞれに最適な栄養バランスを設計します。農園では10種類の品種を栽培しており、それぞれ異なる栄養要求に応じた管理が行われています。施肥は年4回、植物の状態を見ながら調整され、肥料には三大要素(窒素・リン・カリウム)に加え、亜鉛・鉄・ホウ素・マグネシウムといった微量元素もバランスよく配合されています。降雨量や雨季の影響も考慮しながら、吸収効率が最大限に高まるタイミングで施肥が行われているそうです。品種ごとに最適化された栄養管理が、コーヒーの品質をより高めています。
Juan Martin農園では年に2回の収穫期があります。1回目は3月から8月、2回目は11月から12月頃。収穫期間中は14日ごとにピッキングを行い、完熟したチェリーのみを丁寧に収穫します。熟度はチェリーの色に加え、屈折計を用いたBrix値(糖度)でも確認されます。収穫後、チェリーは水に浸してフローター(未熟豆)を除去。その後GrainProバッグに密封され、ポパヤンのウェットミルへと運ばれます。今回のナチュラルプロセスでは、チェリーをタンク内で12時間静置した後、高床式乾燥棚へ移し、厚さ約5cmの状態で約35日間かけてじっくりと乾燥させています。
赤い果実を思わせる味わいと、わずかに発酵感を感じる奥行きのある香りが印象的なコーヒーです。この鮮やかなキャラクターは、しっかりと焙煎しても楽しめるのではないかと感じ、深煎りに仕上げました。焙煎の前半からやや高めの火力を与え、焙煎時間は約9分と短めに設定。あえてそうすることで、このコーヒーが持つ明るい酸味を残しつつ、味わいに複雑さを持たせています。
実際に豆をご覧いただくと、表面に艶があり、しっかりと焙煎されている印象を受けると思います。ところが、見た目から想像する深煎りとは少し違い、口に含むとレーズンやリンゴを思わせる酸味が、心地よい苦味とともに広がります。そこにほのかな発酵感のある香りが重なり、どこか洋酒のようなニュアンスも。温かいうちは深煎りらしいしっかりとした苦味が前に出ますが、冷めてくるにつれて果実感がよりはっきりと感じられるように変化していきます。温度による味わいの変化も、ぜひ楽しんでいただきたい一杯です。
研究と経験の共有を重ねながら積み上げられてきた農園の思想と、土地の個性、そして焙煎による表現。それぞれが重なり合い、鮮やかで深みのある一杯に。時間とともに表情を変えるこのコーヒーを、ぜひゆっくりとお楽しみください。