家族の伝統と新しい挑戦
La Piragua
Philocoffeaにご来店いただき、ありがとうございます。
コロンビアのコーヒーのご紹介です。
生産者のウィリアムは、20年以上にわたりコーヒー栽培に携わっています。幼い頃からコーヒー農家の家庭で育ち、日々の暮らしの中で栽培技術や細やかな管理の大切さを学んできました。
ウィリアムが最も魅力を感じているのは、精製によってコーヒーの個性を大きく変えられることです。農園ではWashed、Honey、Naturalと複数の精製方法を採用し、それぞれのプロセスで異なる風味特性を表現しています。
栽培品種も豊富で、Castillo、Papayo、Geisha、Pink Bourbon、Pacamara、Araraなど、多彩な品種を管理しています。それぞれの品種に適した栽培・精製を行うため、高い技術力と丁寧な管理が求められますが、ウィリアムは「生産量ではなく品質で価値を生み出す」ことを信念としています。
農園は約10ha、標高1,450〜1,650mに広がり、コーヒーだけでなく、プランテン(調理用バナナ)、キャッサバ、トウモロコシ、豆類も栽培しています。こうした多様な農作物によって土壌環境と家族の暮らしを支える持続可能な農業を実践しており、また近年は植栽密度の改善や環境に適した新品種の導入、有機肥料の活用や土壌保全にも力を入れています。
ウィリアムにとってコーヒーづくりとは、単なる生産ではなく「未来を築く仕事」です。品質を高めることは家族の将来につながり、土地を守りながら技術を磨き続けることが彼の原動力となっています。La Esmeralda農園は、その誠実な姿勢と積み重ねられた経験によって、高品質で信頼できるコーヒーを生み出し続けています。
生豆の袋を開けた瞬間にイエローフルーツのようなフレッシュで甘い香りがして、このコーヒーの明るい味わいが楽しめるよう、焙煎は浅煎りにしました。水分値がやや高く、焙煎の前半からしっかりと火力を上げることで、短時間で仕上げ、風味がしっかり感じられるように調整しました。焙煎時間は9分台と短めに設定し、この豆の持つ果実感を閉じ込めたまま深煎りに仕上げました。
淹れたては、ダークチョコレートやアップルブランデーを思わせる、カカオや洋酒のような香りが口いっぱいに広がります。少し温度が落ち着いてくると、ダークチェリーや巨峰のような果実味を伴った甘さがじんわりと現れ、より奥行きのある味わいへと変化していきます。深煎りらしい滑らかで厚みのある質感がありながら、鮮やかな果実味もしっかりと感じられる。その絶妙なバランスが、このコーヒーの一番の魅力です。