丁寧な仕事が生む、みずみずしさとふくよかさ
Colombia El Placer
Philocoffeaにご来店いただき、ありがとうございます。
コロンビアのコーヒーのご紹介です。
コロンビアの名産地トリマ県、サン・アントニオ近郊に位置するエル・プラセル農園。標高2,100mから2,150mの高地に広がるこの農園は、冷涼な気候と豊かな自然環境に恵まれ、コーヒー栽培に理想的な条件を備えています。農園の総面積は約30ヘクタール。そのうち実際にコーヒー栽培が行われているのはわずか4ヘクタールと、小規模ながらも丁寧に管理されています。農園へは車が入れず、最寄りの道路から徒歩で約2時間というアクセスの難しさも、この土地の厳しさと特別さを物語っています。この高標高の環境では、コーヒーチェリーはゆっくりと時間をかけて成熟します。その過程で糖度や風味がしっかりと蓄えられ、複雑で奥行きのある味わいへとつながっていきます。また、平坦な台地に位置しているため、一日を通して安定した日射を確保できることも、品質の安定に大きく寄与しています。
農園を率いるヘスス・アントニオ氏は、収穫後の工程にも強いこだわりを持っています。丁寧な選別と管理されたパルピング工程により、異物の混入を防ぎながらクリーンな品質を追求。発酵と乾燥においても、ゆっくりと時間をかけながら、最終的な含水率を10〜11%に整えるなど、細部まで徹底した管理が行われています。彼の先見性は1980年代後半にも表れており、気候変動への対応として農園をより高地へ移転。この判断により、現在の高品質なコーヒー生産の基盤が築かれました。また、地域社会への貢献にも積極的で、農園内の学校を支援するなど、教育の機会づくりにも力を注いでいます。
栽培されている品種は、カスティージョ、コロンビア、カツーラなど。それぞれの品種がこの土地のテロワールと結びつき、多様で魅力的な風味を生み出しています。自然環境、技術、そして人の想いが重なり合い生まれるエル・プラセルのコーヒー。コロンビアの豊かなコーヒー文化を感じられる一杯です。
カッピング会で出会ったこちらのコーヒー。
一度目に飲んだときには、りんごやストーンフルーツ、シトラスのような複雑な果実味がみずみずしく感じられ、強く惹きつけられました。二度、三度と飲み進めるうちに、シロップのようなつるんとした口当たりにも魅了され、気づけばどんどん引き込まれていきます。
この果実感と質感をぜひ楽しんでいただきたく、浅煎りで仕上げました。サンプル焙煎では、前半に火力をかけて果実感を引き出そうとしたのですが、やや繊細な印象に。そこで、このコーヒーの持つ心地よい口当たりもしっかり感じていただけるよう、中盤にも適度に火力を与えるよう調整しました。みずみずしさとふくよかさ、そのどちらも楽しんでいただける一杯に仕上がっています。りんごやアプリコットのような、果実の甘い蜜を思わせる味わい。冷めてくると少しシトラスフルーツのニュアンスも感じられます。浅煎りですが、シロップのようなとろんとした口当たりがお楽しみいただけます。